わたしについてきなさい(マルコの福音書1章16節~20節)

0 はじめに

イエスさまが福音宣教のために歩み始められたとき,シモンとシモンの兄弟アンデレ、ゼベタイの子ヤコブとその兄弟ヨハネは,4人とも漁師の仕事をしていました。けれども,4人はそれぞれに自分の持ち物を捨ててイエスに従います。そのきっかけは、17節の「わたしについてきなさい。人間をとる漁師にしてあげよう。」という言葉でした。ペテロはイエスさまについていくことが出来たのでしょうか。

1 イエスさまについていくことができなかったペテロ

マルコの福音書8章31節 イエスさまは,弟子に自分の十字架を予告しました。そのとき,ペテロはイエスさまから「下がれ,サタン。」と言われてしまいます。ペテロはイエスさまに従うどころか,イエスさまを導く者になったかのようにイエスさまをいさめてしまうのです。そこで,イエスさまはペテロに語られます。「わたしに従ってきなさい」

さらに、イエスさまが捕まったとき,ペテロは逃げてしまいます。3度もイエスを知らないと言います。イエスさまは,イエスさまのあとについていくことができなかったペテロを一言も責めません。そして,イエスさまはそのペテロに愛を示されました。

このイエスさまとの愛のやりとりの後のことです。ペテロは,ふと脇にいた,ヨハネのことが気になり、「主よこの人はどうなのですか」と聞いてしまいます。そのとき,イエスさまは再びお語りになりました。「あなたは私に従いなさい」

ペテロは,イエスさまについていくことができませんでした。失敗に失敗を重ねました。イエスさまはそのペテロに何度も声をかけられました。そして、イエスさまご自身は,先に先に,進まれました。イエスさまは目指したのでしょうか。それは十字架です。人の罪の身代わりとして,人が受けなければならない罰を受ける十字架を目指して先に先に進みました。イエスさまは,イエスさまについていくころのできなかったペテロのためにも十字架にかかってくださったのです。

2 イエスさまに「ついていく」を全うさせていただいたペテロ

「わたしについて来なさい」というイエスさまの言葉をうけて,ペテロは最初の一歩を歩み出しました。イエスさまの後ろをおって。イエスさまについて行きました。これまで見てきたように,ペテロの歩みは失敗だらけでした。しかし,イエスさまは最後までペテロを愛して,ペテロの「ついていく」を全うさせてくださいました。

私たちの中には,一歩を歩み出せないで止まっている人がいるかもしれません。「私はついていけない」と心配する必要はありません。もともと,私たちは,みなペテロのようについていけない者です。でも,イエスさまが,ペテロを愛し,ペテロの「ついていく」を全うさせてくださったように,私たちが一歩踏み出せば,イエスさまがわたしたちの「ついていく」を全うさせてくださいます。

(石原 俊一 兄)

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