福音に仕えるパウロ (コロサイ人への手紙1章23~29節) 

1 コロサイ人のために受ける苦しみを喜びとする

パウロ働きや歩みの特徴の一つ目は,「コロサイ人のために受ける苦しみを喜びとする」ということです。パウロには,痛み,苦しみがありました。それは,イエスさまと心を一つにしていたからです。イエスさまの痛み,苦しみとは,イエスさまを信じない人々,イエスさまを拒絶する人に対するものです。もし,パウロがこのような人々に痛み,苦しみを持たなければ,パウロの分であるキリストの痛み,苦しみが欠けてしまいます。パウロは,コロサイ人のために痛み,苦しむことで,キリストの苦しみの欠けたところを満たしていました。

「苦しみを」の「を」は,原語では,「~中で」(ἐν)という意味です。つまり,パウロは,苦しみの中で,それを喜びとしているというのです。それは,パウロが苦しみよりも大きな ἐνにいたからです。それは,キリストの愛の中です。どんなに苦しみが押し寄せてきても,イエス・キリストの十字架はすでに完成しています。このすばらしいキリストの中にいる喜びは,パウロの中にある苦しみを上回っていたのです。

2 キリストを世に伝えるために教会に仕える

パウロ働きや歩みの特徴の2つ目は,「キリストを伝えるために教会に仕える」ということです。パウロは,食卓で待つ(「仕える」διακονέω)ように,相手が自分の思いや好み,習慣を大切にしながらそれを生かし,様々な配慮を行いました。具体的には,食べ物や飲み物を与えること、住居を提供すること、衣服を与えること、病人や囚人を訪れることなど、多くの活動を行いました。

「仕える」ためには,自分の思いを殺さなければなりません。誰にも,自分はこの方がいい,この方が慣れているということがあります。しかし,相手は別なことがいいと思い,慣れています。その相手に合わせることが仕えることです。それはとても難しいことです。それでもパウロは教会に仕えました。それは,神の奥義キリストをを余すところなく伝えるためです。イエスさまがどれほど栄光に富んだものであるかを伝えるためでした。

3 すべての人を成熟させるためにキリストを教える

パウロ働きや歩みの特徴の3つ目は,「すべての人を成熟させるためにキリストを教える」ということです。成熟という言葉の原語τέλειος(テレイオス)は,完全な、健全なという意味です。「イエスさまの愛に留まる」者は,全き者です。ですから,パウロが目指したのは,コロサイ教会の人々がイエスさまの愛に留まり続けることでした。

しかし,コロサイの教会の人々は,異なる教えに振り回されました。私たちの歩みも同じです。私たちの歩みの現実は,イエスさまの愛から外れては戻る,また,外れては戻るの繰り返しです。特に,未成熟のキリスト者は,困難にあうと,イエスさまに留まり続けることができません。しかし,信仰が成熟してくると,なかなかイエスさまから離れられなくなります。自分の力では生きて行くことができないことがしみじみとわかってくるからです。ですから,どんな問題に直面しても,イエスさまから離れずイエスさまにしがみついて生きていくのが成熟したものです。また,イエスさまから離れたとき,平安が失われたことに気付きすぐに戻ってくることのできるものが成熟したキリスト者です。パウロは,コリント教会の人々が成熟したキリスト者を立たせるために,キリストを宣べ伝え,あらゆる知恵をもってすべての者を論しすべての人を教えました。それが,パウロの使命だったのです。

(2022年8月7日 石原俊一 兄)

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