成熟に必要なもの(ルカの福音書22章31~34節

1 はじめに

ペテロはイエスさまに,「主よ。あなたとご一緒なら、牢であろうと、死であろうと、覚悟はできております。」(22章33節)といいました。この記事を中心に私たちの成熟に必要な二つのものを学びます。

2 クライシス(危機)

22章に入ると、主イエスと弟子たちを取り囲む状況は急速に緊迫していく様子がわかります。サタンが弟子のユダに入ったこと、最後の晩餐の様子、裏切る者の宣告、誰が偉いのかの議論、さらに主からペテロに直接信仰の危機が迫っていることが記されています。ただならぬ状況に自分が置かれていることを察知したペテロは、その危機的状況に押し出されるように力強い信仰の決断をします。ジェームズ・フーストンは「祈りは神によって衝撃を受けないでいる限りは、いつまでたっても漠然とした安全な行為のままである。」といいます。私たちの信仰が成長する上でクライシスが大きな役割を果たすのです。

3 腑に落ちる(自己認識)。

ペテロの言葉は決断に満ちた勇敢なものでしたが,、そこには尚欠けているものがありました。深い自己認識です。ペテロの言葉を読むと、自分自身を「勇敢で力強く揺れ動くことのない者」と考えていたことが伝わってきます。しかし,その直前に語られた主のペテロ像とは大きな落差があり、二人の理解が全くかみ合っていないことが分かります。

そしてペテロはイエス様の言葉通り、主を三度否定しました。ペテロはこの大きな失敗の後に漁師に戻ります、その時のペテロの姿はとても美しく感じます。主が語られた自分の姿が、大きな挫折を通して「腑に落ちた」からです。

ですから,ヨハネの福音書21章15~17節には、深い自己認識の中で語られるペテロの言葉と、復活の主との言葉が完全に
かみ合っている様子が記されています。

4 まとめ

クライシスと深い自己認識、それによって私たちの祈りは成熟への第一歩目を踏み出ていきます。

(2022年9月4日 高橋 拓男 師)

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