あなたはわたしを誰といいますか(マタイによる福音書16章13~16節)

1 神から遣わされた人のしるし

今日の聖書の箇所は、イエス様のガリラヤ伝道のクライマックスです。民衆は、イエス様が神から遣わされた人であれば、納得させてくれるしるしがあるはずだと考えていました。それで、パリサイ人、サドカイ人がイエス様を調べるためにエルサレムから遣わされました。しかし、イエス様は、彼らに、「空模様のしるしを見分けながら、時のしるしを見分けることができないのか」と指摘され、彼らを後にされました。

2 パリサイ人、サドカイ人達のパン種

それから、ガリラヤ湖の東岸地方に移ったイエス様は、弟子たちに「パリサイ人、サドカイ人達のパン種にくれぐれも用心しなさい」と警告されました。しかし弟子達は、イエス様の言っておられることが理解できず、議論を始めました。イエス様は弟子達に「覚えていないのか(洞察力、判断力、記憶力などを用いて、物事の本質を見極めよ)」と、パンの奇跡を思い出させました。そして、パリサイ人、サドカイ人の教えの偽善的体質にくれぐれも気を付けるようにと警戒されました。

3 人々は人の子をだれと言っていますか

ピリポ・カイサリヤは、風光明媚な所ですが、ヘロデ家によっての皇帝礼拝、自然崇拝の行われていた所でした。そのような所で、イエス様は、「人々は人の子をだれと言っていますか」と尋ねました。弟子達は「バプテスマのヨハネ、エリヤ、エレミヤ、預言者の一人」と答えました。人々はイエス様を立派な預言者と見ていました。しかし、預言者は、人であって神ではありません。

4 ペテロの信仰告白

さらに、イエス様と寝食を共にし、イエス様の奇跡を見て、教えを聞いてきた弟子達に、「あなたがたは、わたしをだれと言いますか」と問われました。するとペテロが、「あなたは生ける神の子キリストです」と答えました。イエス様は、ペテロの素晴らしい告白は、天におられるわたしの父によるもので、人間の考えによっては決してできない告白であって、幸いだと言われました。ペテロの告白には、深く重い意味があります。①「キリスト」。神からの任職の油を注がれた王・大祭司・預言者で、旧約聖書の預言者が語り続けてきた約束のメシヤです。②「神の御子」。イエス様は、父と子とは一つであると言われました。御父も御子も等しく神なのです。アブラハム、イサク、ヤコブの神の御子であり、イスラエルに律法を与えた神の御子なのです。③「生ける」。天地創造の命の本源である神、イエス様を死からよみがえらえらせた唯一の「生ける神」、今も、私たちを救うことのできる創造の神です。

5 日ごとに告白する信仰告白

ペテロは立派な信仰告白をしましたが、その深い内容は理解していませんでした。イエス様によって、一人の盲人の目が開かれた時(マルコ8:22~26)、彼の目は徐々に見えるようになったことが記されています。私たちも「生ける神の子キリスト」の姿は少しづつ見えるようになっていきます。信仰告白は、救われた時だけではなく、日ごとに「あなたは生ける神の子キリストです。」と繰り返し告白しつつ、神と交わり、遣わされたところで神に従っていきましょう。

(2024年8月4日 木田和代 師)

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