あなたがたの中におられるキリスト(コロサイ人への手紙1章24節~29節)
0 はじめに
ここでは,神の奥義としての内住のキリストが述べられます。「奥義」は秘密ということで、一番神が尊く思っておられるものです。その「奥義」とは,「キリストは世においでくださり,信じる私たちの中に住んでくださり、神の栄光を現すお方ということです。
1 キリストのからだを建て上げるために
コロサイ書には,「教会のかしらなるキリスト」が示されています。パウロは,教会のかしらなるキリストを見つめ、味わいご自身の教えに従うように勧めます。私たちは,このキリストの体からだを建て上げるために労苦しますが,それは喜びなのです。私たちの力には限界があります。ですから,神さまはそれを果たす力を備えて下さいます。それが「神の奥義」です。
2 神の奥義「キリストの内住」
「神の奥義」はキリストが私たちのうち住んでいて下さることです。「奥義」という言葉の原語「ムステリオン」は英語のミステリアスの語源で「目配せする」の意があります。目は言葉がなくても目配せによって、目が思いを伝え分かり合うことができます。それには、深い交わりが必要です。ですから,「奥義」を理解するには,心の目を開きキリストとの交わりをもって、「うちに住んでくださるキリスト」との関係を深めることが大切です。私の中には,私に巣食っている頑固、強情、自己中心的な心、自我に悩む自分がいます。しかし,「キリストが共にいて下さる」と信じるとき、心砕かれます。そして,キリストに全く明け渡すならキリストはわたすのうちに住んでいてくださいます。
3 神の奥義に生きる
うちにいますキリスト「内住のキリスト」は栄光の望みです。神さまは,キリストが再び来られるとき私たちを永遠に死なないからだに変えて下さいます。そして,私たちは,キリストにあるならばキリストにあって完成されます。ですから,キリストと共に生き、たえざるいのちの交わりを通して神の奥義の中に生きることが大切です。神の奥義に生きると,神の視点から見て判断できるキリスト者となり,教会を建て上げて、キリストに仕える人の目標となります。
4 おわりに~キリストにすべての栄光を
私たちは四方八方から苦しめられますが窮することはありません。うちにおられるキリストが力強く働いて、栄光の望みへと導いてくださるからです。福音伝達のために恵みと知恵をもって,うちに住んで、力強く働いて下さるお方」に信頼し、キリストにすべての栄光を帰し、祈り仕えましょう。
(2020年10月25日 後藤 一子 師)