クリスマスの喜び(ルカの福音書2章1節~20節)
皆さん、お早うございます。今日はクリスマスはどのような日か、3つの面からご一緒に学びたいと思います。
1 クリスマスは神のへりくだりの日
まずクリスマスとは、神が人となってこの世に来て下さった、神のへりくだりの日です。私たち日本人の宗教観では、人は死ねば神・仏になるという観念が昔からあります。その中でも、特別に尊敬されたり、功績を残した人々は、神として神社に祀(まつ)られました。多くの人々が初詣の参拝に行く明治神宮は、明治天皇を神として祀っており、人が神として祀られています
ところが、聖書はそれとはまったく逆に、神が人となって、この世に来て下さり、しかも人間としてもっとも低く、目立たない姿でこの世に来て下さいました。皆さんご承知のように、イエス様は立派な宮殿でも、普通の家でもなく、粗末な馬小屋で生まれました。その頃の馬小屋は、洞窟であったと言われています。そして最初に駆けつけてお祝いしたのは、当時低い身分とされていた羊飼いでした。それが最初の、そして本当のクリスマスでした。
2 クリスマスは人の罪が明らかにされた日
次にクリスマスとは、人間の罪が明らかにされた日です。イエス様がベツレヘムで生まれたのは、自分の権力を誇り、確かなものにするために、ローマ皇帝アウグストゥスが出した命令に基づいています。そしてベツレヘムの人々は、自分達にとって大切で、利益となるお客さんを優先し、目立たない、しかも妻が身重の夫婦を締め出してしまいました。
そして今も、世界中で多くの人々は、誕生日の主人公であるイエス様を締め出し、自分の楽しみや利益のためにこの日を用いています。そしてユダヤ人に代表される人類は、このまことの光が邪魔なので消そうとし、ついに十字架にかけて、イエス様を殺してしまいました。主イエス様は、歓迎されないところに、あえて来てくださいました。このように、クリスマスは人の罪を照らし出します。
3 クリスマスは、神から平和がプレゼントされた日
イエス様の誕生を賛美した御使いたちは、イエス様を平和をもたらす方としてほめたたえました。その平和の君としてイエス様が誕生したことを感謝する日がクリスマスです。
もともと、神が人を神のかたちとして創造された時、神と人、人と人との間には信頼と平和がありました。しかし人が神に背を向け、罪が入り込んできた結果、人と神との間に大きな壁が出来、言葉が通じなくなってしまいました。その結果、人と人との間にもひびが入り、問題や失敗を相手のせいにして責め合う、自己中心な者となってしまいました。今日本でも世界でも起きているトラブルや対立は、この人間の罪から来ています。
そのような人の世に、イエス様は誕生され、愛のメッセージを語り、最後は十字架にかかり、神と人との架け橋となって下さいました。クリスマスは、神が下さった平和の始まりの日です。そのような日としてこの日を覚え、へり下って、神と人とに仕えましょう。
(2020年12月13日 中村 敏 師)