イエスさまが出された信仰のテスト(ヨハネの福音書6章1節~14節)
0 はじめに
イエスさまは,ピリポに,「どこからパンを買って来て、この人たちに食べさせようか。」とお聞きになりました。イエスさまは,ここで,弟子であるピリポに信仰のテストをしたように思えます。この課題は難題です。1万人の食を簡単に準備出来るわけがありません。とても無理。できないことをイエスさまは課題として出されたのです。
1 弟子たちの自己評価-不合格-
この課題に対して,弟子の自己評価は0点,不合格だったと思います。
ピリポは,「一人ひとりが少しずつ取るにしても、二百デナリのパンでは足りません。」
と答えました。200万円では足りないと見積もりました。アンデレは,イエスさまに大麦のパン5つと魚二匹もっている少年を紹介します。しかし,アンデレ自身が「それが何になるでしょう」と自分がやったことを否定しています。ピリポもアンデレも自分が合格とは思えなかったでしょう。
2 弟子たちを評価されるイエスさま
私は,イエスさまが,合格点をつけてくださったと思います。
(1)現実を見つめてイエスさまに申しあげる
ピリポは現実をしっかり見つめいくらかかるかまで計算しました。しかも,そのことをイエスさまに報告しました。
(2)今,自分にあるものをイエスさまにお渡しする。
イエスさまにパン5つと魚二匹を小さなものとして自分で握りしめるのではなく。イエスさまにお渡しすること。「ぞうそ,これをつかってください」とイエスさまにたくすことが信仰です。
(3)通りよき管になる
弟子たちは,イエスさまが与えてくださるパンに自分の何かを加えたりしません。自分で取ってしまうこともしません。ただ,イエスさまが与えてくださるものをそのまま人に与えました
(4)自らの小ささを認めイエスさまの素晴らしさを知る
エスさまと向き合うときに見えてくるのは,イエスさまの無限の力と自分の無力さです。これは,イエスさまと向き合わないと分かりません。そして,このことを知ることが,信仰の試みに合格する秘訣です。自分には全く力がないけれども,イエスさまにはできる。このことを信じたり,実感したり出来る人が神さまから合格点をもらえます。反対に,最後まで自分に何かができるかのように思っている人は,不合格です。
3 私たちの必要を満たす以上の恵みと祝福
イエスさまは,大麦のパン5つと魚二匹をその場にいた1万人の人々を満たすだけ増やしたのではありませんでした。あまりが,12のかごが一杯になるほど増やされたのです。イエスさまは,私たちが満たされる以上の恵みを与えてくださるのです。
イエスさまは,「一つも無駄にならないように、余ったパン切れを集めなさい。」といいます。神さまが与える恵みを無駄にしてはいけないよ,捨ててはいけないよ。その一つ一つを大切にして集めなさい。イエスさまは語っておられます。私たちはこのイエスさまのご命令を受け止めたいと思います。
(2022年2月6日 石原俊一 兄)