クリスマスの目的(ヨハネの福音書12章44~55節)
1 クリスマスとの目的とは
子なる神キリストが人間となってこの世界に生まれた日、それがクリスマスです。では、イエス・キリスとはどのような目的でこの世にこられたのでしょうか。ヨハネの福音書12章50節には、「わたしは、父の命令が永遠のいのちであることを知っています。」と書かれています。クリスマスの目的は、イエスさまがこの世界に来てくださったことで、イエスさまを信じる私たちにが永遠のいのちを与えることなのです。
2 永遠のいのちを失った人間
神さまは、無限のお方です。永遠のお方です。人間が神さまによって創られたとき、人間は神さまとともいました。神さまと親密な関係にありました。神さまと深い人格的な交流がありました。永遠のお方である神さまと深いつながりをもっていたとき、人間は永遠のいのちをもっていました。ところが、最初の人、アダムとエバは神さまの命令を破ってしまいます。神が禁じた善悪の知識の木の実を食べてしまいました。永遠の神さまとの関係が壊れるということは、人間の死を意味しました。永遠の神さまとの親密な交流は断絶し、2人は霊的に死んでしまいました。それから、アダムとエバの子孫達は必ず死ぬ者になりました。永遠のいのちを失ったのです。
3 滅びに向かう罪人
神さまは人間と神さまとの人格的な関係の回復を待っておられました。かし、人間は、神さまに立ち返るどころが、神さまに反逆を続けました。旧約聖書に書かれているイスラエルの歴史は、神さまへの反逆の歴史でした。神さまが、神さまを裏切り、反逆し、死に向かおうとする人間に対して憤りました。「自分の力で永遠のいのちを得ることの出来ない人間」の中に私たち一人ひとりも入っています。私たちも神さまの怒りを受ける存在です。
4 イエスさまの十字架
父なる神さまは義なるお方です。人間の罪を決してお許しになりません。人間は、神さまに反逆し、立ち返ることができません。このままでは、神さまと人間の関係はいつまでたっても回復できません。そこで、神さまが人間にクリスマスをくださいました。子なるキリストが人間になられるという大きな奇跡を成してくださいました。ここに神さまの愛があります。私たちが受けるべき罰をイエスさまが私たちの代わりに受けてくださいました。私たちが罪のために死ななければならないのに、イエスさまが私たちの代わりに死んでくださいました。そしてイエスさまを信じる私たちには、イエスさまの義が与えられました。私たちはイエスさまによって神の怒りから救われたのです。
5 神さまとの関係の回復
ですから、イエスさまは、「わたしを信じる者は、わたしではなく、わたしを遣わされた方を信じるのです。また、わたしを見る者は、わたしを遣わされた方を見るのです。」(44~45節)と言われます。イエスさまが神さまと人間との仲立をしてくださるようになったので人間は、イエスさまを信じることをとおして神さまを信じることができるようになりました。イエスさまをとおして、神さまを見ることができるようになりました。直接目でみることはできないかもしれませんが、イエスさまの十字架をとおして、いままで断絶していた神さまと人間の関係が回復したのです。
イエスさまは、光として世にこられました。イエスさまが、私たち人間の心の暗闇に光を当ててくださいます。すると、その人自身の姿が露わになります。人は、弱い自分の姿が露わになることを恐れます。それでもイエスさまが光を当ててくださいます。すると、人間が弱いと思っていた場所が神さまとの深い交わりの場所に変わります。もう、自分の弱さをかばう必要がありません。私たちが、ありのままで神さまと交われるようになったのは、イエスさまが光として世にきてくださったからです。
6 クリスマスの喜び
クリスマスは、神さまとの関係が破壊され、永遠のいのちを失っていた私たちが、神さまとの関係を回復し、永遠のいのちを得るために、神さまが、その一人子イエス・キリスとを与えてくださった日です。イエス・キリストは十字架にかかり、私たちの罪の身代わりになってくださることによって、神さまの目的、神さまの命令である「永遠のいのち」を与えられました。だから、私たちは、クリスマスを喜ぶのです。クリスマスをお祝いするのです。
(2024年12月22日 石原 俊一 師)