一番偉い人(ルカの福音書22章24~30節)
1 最後の晩餐の場面
イエス様が,「わたしを裏切る者(21)」がいると語られると,弟子たちは,いったい誰が・・と議論になりますが,話題は「だれが一番偉いのだろうか」と一転します。
2 言い争う弟子たち
① 最後の晩餐の席次
ヨハネ13章から推理をすると,第一ゲスト席はヨハネ,第二ゲスト席はユダです。イエス様正面の末席にペテロが座っていたようです。
② 席に関する想像
食卓を整えた二人の弟子は,ペテロが第二ゲスト席にヨハネは末席に着席しました。ところが,イエス様は,ヨハネの隣席に着き,左の席にユダを招いたと想像できます。
③ 誰が一番偉いのか
こう仮定すると弟子たちの議論も,洗足の理由もわかる気がします。弟子たちにとっては絶えず誰が一番偉いのかが重要問題でした。イエス様は,その弟子たちに,へりくだり仕えることの大切さを伝えたかったのです。
3 イエスの教え
① 異邦人の標準
自分を大きく見せたい,自分の力を認めさせたいというのが,異邦人の標準です。
② あなた方の標準
一方,イエスの弟子は,若いの者のように,給仕をする者のようになりなさいと教えられました。Ⅰペテロ5:1~4には,このイエス様の教えがこだましています。
③ イエス様の模範
イエス様は,若い者の席に座り,弟子たちの足を洗い,神の位を捨て,人となり,十字架の死にまで従われました(ピリピ2:6~8)
4 イエス様の約束
誰が一番偉いかと議論する弟子たちは,数時間後に,みな,イエス様を捨てて逃げてしまいます。それにもかかわらず,イエス様は,「あなたがたは,わたしの様々な試練の時に,一緒に踏みとどまってくれた人たちです。(28)」と評価し,彼らに,主イエスは将来のすばらしい約束を与えられました。「わたしの父がわたしに王権を委ねてくださったように,わたしもあなたがたに王権を委ねます。」(29,30)それは,ペンテコステの後,神さまと人に仕え,殉教していく弟子たちへの約束でした。
(2021年2月21日 木田 惠嗣 師)