いのちの水(ヨハネの福音書4章9節~14節)
1 私の心の深みまで分かってくださるイエスさま
サマリヤの女は,「あなたはユダヤ人なのに、どうしてサマリアの女の私に、飲み水をお求めになるのですか。」 とイエスさまに尋ねます。その質問に,イエスさまは,「もしあなたが神の賜物を知り、また、水を飲ませてくださいとあなたに言っているのがだれなのかを知っていたら、あなたのほうからその人に求めていたでしょう。そして、その人はあなたに生ける水を与えたことでしょう。」と答えます。2人の会話は一見,かみ合っていないように見えますが,そうではありません。イエスさまは,サマリヤの女の心の奥底にあるさみしさ,むなしさ,渇き,そして求めを,本当によく分かっていました。そして,サマリヤの女に解決のヒントになる言葉をかけてくださったのです。
「サマリヤの女よ。私は,あなたの心の奥底の渇きを癒やすために来たんだよ。私がだれだかわかるか。もし,私が救い主で,あなたの心の渇きを癒やす者であることが分かれば,あなたは,私に求めるでしょう。そして,私はあなたの渇きを癒やすでしょう。そのために私はあなたのもとに来たんだよ。」と。
イエスさまは私たちとも1対1で向き合ってくださいます。私たちが,悲しいときには,悲しい気持ちを,傷んでいるときは,傷んでいる気持ちを,乾いているときは乾いている気持ちを,どうしてよいか分からないときは,「イエスさま分かりません」という,そのままの気持ちを受け止め,理解してくださるお方です。
祈りは,本当にイエスさまとの人格と人格の交流,真実の対話です。神さまは私たちの心の奥底の気持ちを理解し,確実に導いて下るという信仰をもって祈っていきたいと思います。
2 永遠のいのちの水はイエスさまを信じる者に注がれる
イエスさまがお与えになる水を飲むとはどういうことでしょう。それは,イエスさまを信じることことです。イエスさまを自分の主として受け入れることです。まるで乾いた人がひたすら水を飲むように,乾いた心の人がひたすら自分のためにイエスさまを受け入れることです。
イエスさまを心に受け入れると,イエスさまが私達の心の中に生きてくださいます。イエスさまは永遠なるいのちの水をもっておられます。ですから,イエスさまを信じ,心に受け入れると,その人のうちからイエスさまの永遠なるいのちを水の泉があふれ出てくるのです。
イエスさまが心に生きてくださることは,聖霊が私の中に生きてくださることと同じです。心のうちに住んでくださるイエスさまは,目には見えませんが,聖霊の働きはいろいろな形で表れます。その人から平安があふれます。賛美があふれます。愛があふれます。そして,その人からさみしさやむなしさが消えます。渇きがなくなります。イエスさまの愛と平安でその人の心が満たされるのです。
イエスさま,死に打ち勝ちよみがえられた方です。イエスさまあは正に永遠なるいのちの水そのもののお方です。ですから。イエスさまを受け入れ,イエスさまを心の内に持つ人も,復活の恵みをいただきます。永遠のいのちを持つ者になるのです。
3 生ける水を求める者に
10節でイエスさまは,水を飲ませてくださいとあなたに言っているのがだれなのかを知っていたら、あなたのほうからその人に求めていたでしょう。とおっしゃいました。私達は,言ってくださっているが誰だか知っています。イエスさまです。私たちの心の奥底まで本当によく分かってくださるお方です。私達の罪の身代わりとして十字架に死んでくださった方です。そして,生ける水を与えてくださる方です。永遠のいのちを与えてくださるお方です。私達は,イエスさまを心から信じたいと思います。
イエスさまは,その人はあなたに生ける水を与えたことでしょう。とおっしゃいます。私達がイエスさまの前にへりくだり,イエスさまに求めるとき,イエスさまは,私達に永遠のいのちの水の泉を与えてくださいます。私たちの魂の渇きを潤し,私たちの人格を変え,私たちを永遠のいのちを与えてくださるのです。私達は,この御言葉を心から信じ,イエスさまに求めていきたいと思います。
(2021年6月27日 石原俊一 兄)