心低き信仰(ヨハネの福音書4章46節~54節)-音声- 

1 心低き信仰 ①求め続ける②イエスさまから離れない

イエスさまは,王室の役人である父親に「あなたがたは,しるしと不思議を見ない限り,決して信じません」(48節)とお話しになりました。「息子を癒やしてほしい」という願いを拒絶したような言葉に聞こえます。もし,イエスさまを自分の思い通りに利用しようとする高さ持つ人なら,イエスさまの言葉を聞いて,①怒ります。②イエスさまを攻撃します。③イエスさまのもとから離れていきます。

しかし,この父親は,王室の役人が、「主よ、子供が死なないうちに(カペナウムに)下ってきてください」と言いつづけると、」 (49節 塚本訳)とあるように,言い続けます。自分の思いとは異なる言葉かけを受けても,願いは叶わないような言葉をかけられても,イエスさまにひたすら願い続けます。イエスさまを信じたよる心低い人の特徴は,①思い通りにならないように思えても求め続ける ②思いどおりにならなくてもイエスさまのもとを離れない。の2つです。

2 心低き信仰③イエスさまの言葉どおり歩み続ける

王室の役人である父親の頭の中では,イエスさまが一緒に来てくださり,息子に手を触れ,いやしてくださるというイメージがありました。しかし,イエスさまは,その父親の思いを砕きました。イエスさまが一緒に行かないで,息子にふれもしないで,息子は治るというのです。自分の思いとは違い答えをいただいた父親は,自分の,解決イメージを捨てて,イエスさまの言葉をそのまま信じて,帰って行きました。これが,しるしと不思議を見ない限り,決して信じ ない高さをもった人々の反対の姿です。しるしと不思議を見ることなく,ただイエスさまの言葉を信じて帰ったのですから。心低き人の特徴③は,例え自分の思い通りではなくても,イエスさまの言葉どおり歩む続ける です。

3 私たちの思いを超えて愛してくださるイエスさま

イエスさまは,父親が心低い人々であることをご存知でした。ですから,イエスさまは,はじめから,息子を癒やすおつもりだったと思います。「あなたがたは,しるしと不思議を見ない限り,決して信じません」 (48節)という言葉には,次のような思いが込められていたと思います。「父親よ。あなたの心低い信仰はすばらしい。あなたはしるしと不思議を見なくても信じる信仰をもっている。あなたの息子は治る,そして,あなたの家族は信じ得る。わたしのこの言葉で,あなたの信仰のすばらしさが多くの人々にはっきりと示されるだろう。ガリラヤの人々よ,あなたがたは,私を自分の思いの実現のために利用しようとしてる。だから,しるしと不思議を見ない限り,決して私を信じない。しかし,王室の役人のすばらしい信仰を模範としなさい。しるしと不思議を見なくても,自分の思い通りならなくても心低く私を信じて歩む姿をあなた方に見るだろう。あなた方も,王室の役人のように心低く歩むことで私の祝福を受けることができるのだよ。私を信じなさい」このことばは,王室の役人である父親に対する,そして,ガリラヤの人々に対するイエスさまの愛があふれる言葉でした。
私たちは,イエスさまの言葉から,私たちの思いを超えて,私たちを愛してくださる御心の深さを知ることができます。例え,自分の思いと異なるような導きを受けても,その導きの中に必ずイエスさまの愛が込められています。私たちは,そのように信じて,心低く,イエスさまから決して離れず,イエスさまに求め続けたいと思います。

(2021年8月15日 石原俊一 兄)

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